都営住宅の暮らし

資格審査

都営住宅の入居資格審査対象者になると送られてくるのが、この資格審査通知書です。
資格審査通知書
実際には色紙に印刷されています。ポイント方式では、まず電話連絡がきてから送られてくる場合が多いです。電話もなくいきなり送られてくる場合もあります。一般の抽せんの場合は、電話連絡等は通常なく、順番が回ってくると送られてきます。この順番ですが、申込地区番号順の発送になります。例えば5・11月募集ですと、

改良住宅→再開発住宅→若年定期→多子定期→若年ファミリー→一般募集(23区)→一般募集(市部)

と進んでいきます。ですから例えば「若年定期の23区」と「一般募集の市部」とでは、通知の時期にかなりの差(約3か月)がでることになります。

直接募集は、一つの枠に対象住戸は一戸だけですので、最も早く手続きが進みます。抽せんで補欠繰り上げのような場合は、突然送られてくるので驚く人も多いです。

審査日時は指定されていますが、変更も可能です。通信欄には、書類をそろえる前にまず電話連絡するよう書かれている場合もあります。また同封物の中には、審査日までにどのような書類が必要か、細かに記載された紙が入っています。「持参書類のご案内」がそれです。
持参書類のご案内
審査の結果、資格に該当しなければ当然入居することはできません。書類のほとんどは、公的な機関が発行したものの原本かコピーです。1番から9番を確認して書類を揃え、審査に臨むことになります。一つずつ大丈夫か確認します。

・1番 居住地、世帯確認
住民票で居住年数等は確認できます。それでも健康保険証が必要なのは、住民票上は確かに東京都在住でも、実際は他県住みという人もいます。それを保険証などで確認して、矛盾がないかチェックするためです。

・2番 1番の追加書類
申込み後、住所が変わると必要だったりします。外国人の場合は、在留管理制度が平成24年7月9日から新制度に移行していますが、在留カードはあわてて発行しようとしても、1か月以上の時間を要します。

・3番 独身者、親族関係確認書類
  住民票だけでは続柄が証明できなければ戸籍謄本が必要になります。当然本籍地からの取り寄せなので、時間がかかります。

・4番 課税証明書等
1月1日に住んでいた区市町村での発行なので、引越ししているとやはりその区市町村からの取り寄せになります。

例えばA市で暮らしていた人(平成28年1月1日もA市に住民票があった)が、平成28年10月にB区に転居したとします。そして今が平成29年5月15日だったとします。平成29年度分の課税証明書は、通常取得できるのが平成29年6月中旬(給与所得者でそれ以外の所得がない人の場合は5月中旬)になりますので、取得可能な一番新しい課税証明書は平成28年度分になります。なお平成28年度分とは、通常平成27年1月1日から平成27年12月31日までの分を指します(課税証明書の「年度」は4月から3月ではありません)。

つまり現在この人はB区に住んでいて、平成29年1月1日の住所もB区ですが、平成28年度の課税証明書を取ろうとする場合は、A市からの発行ということになります。平成29年6月中旬以降になると、平成29年度分の課税証明書を取得できますが、これはB区からの発行になります。この場合でも、平成28年度分はやはり発行はA市になります。

・5番 収入証明書等
勤務先が記載したもので、休職中、退職後でも必要です。人によっては、案外これが一番面倒になってきます。ケンカ別れして退職した場合や、休職中で職場に電話して頼まなければならない場合などはなおさらです。事業収入や年金収入の場合は、自分で揃えられます。なお事業収入の場合の確定申告書のコピーは、電子申告(e-Tax)の場合受理印などありませんから、受付番号が右上に印刷されたものを用意すればOKです。

・6番 退職・廃業関係書類
退職証明書は退職した会社に書いてもらうことになります。しかし前述のとおり「ケンカ別れしてきたので今更書いてもらえない」という方もいると思います。おそらくJKKの担当者にその旨説明してみれば、代替の方法を示してもらえるかと思います。公務員の場合は、任命権者の印が押された退職の辞令になります。

・7番 生活保護の受給者
現在受給している、居場所の福祉事務所で発行してもらいます。ですから住民票のある区市の福祉事務所とは限りません。

・8番 社宅証明書、居住証明書
JKKにこんな感じで作ってくださいというフォーマットがあります。なおweb上で公開はされていません。
社宅証明書
居住証明書
社宅証明書は職場に頼んで、記入後返戻してもらわねばなりません。なお記載はありませんが、以前不動産を所有している人が入居者にいる場合、登記事項証明書(法務局で取得)も必要とのことでした。

・9番 障害者関係書類
原本を審査日に持参します。コピー持参は不可です。なお障害者手帳は、紛失などで再発行手続きともなると、2か月程度とかなりの時間がかかってしまいます。特に申し込みの際、障害者で甲優遇、乙優遇を受けた方は必ず必要です。

必要書類が審査日にそろっていなくても、ある程度は待ってくれるそうです。ですから全くもって資格外なのに申し込んだ人を除いて、それほど焦る必要もない感じがします。

なおそろわなかった場合は、「不足書類のご案内」という用紙を渡されます。具体的に何の書類が不足しているかが書かれています。それを提出期限までに、JKKに郵送することになります。

この資格審査に合格して、初めて「入居予定者」として登録されます。つまりいくら抽せんで当せんしたからといって、この時点ではまだ入居予定者ではないわけです。

したがって「抽せんで当たって資格審査(審査書類も提出済)までいったが、まだ合格はしていない」、すなわちまだ単なる「資格審査対象者」という状態の場合、次回の抽せんにも応募することが可能です。これはポイント方式や直接募集の場合も同じです。「入居予定者」と正式に決まるまでは、応募は続けられるということです。


あっせん通知

資格審査に合格すると、都営住宅資格審査結果(合格)通知がはがきで送られてきます。

都営住宅資格審査結果(合格)通知
余談ですが、上の写真はちょうど知事が(猪瀬直樹元都知事の辞職にともなう)不在のため、職務代理者である副知事名での通知になっています。通常は都知事名になっています。

ポイント方式の場合は、都営住宅使用予定者の決定について(通知)という、登録のお知らせが封書で届きます。これは上記の資格審査合格と同じ意味合いを持ちます。このお知らせを受領して以降は、他の募集には申込みすることができなくなります。

その後封書で「都営住宅等あっせん及び入居説明通知書」が送付されてきますが、合格通知から数か月、下手をすると1年近く待つことになります。(入居棟室があらかじめ決まっている)直接募集の場合は1か月も待たないうちに届きます。基本的には、空き室(前入居者が退去して、部屋の修繕をしたりするのである程度時間がかかります)が出てからあっせんという形になります。しかし一部には例外があるようです。これはあくまでも伝え聞いた話ですが、「人を選ぶ住戸」があるからです。例えば1階が保育所になっているような住戸ですと、階下に向かって物を投げて、それが子どもに当たり、トラブルになるような人だと困るわけです。ではその「物を投げてトラブルになるような人」が、どのような人を指すのかはわかりませんが、「身元、出所がはっきりしない人」と聞いたこともあります。

なお審査結果(合格)通知には「電話による住宅のあっせん時期についてのお問い合わせはご遠慮ください」とは書かれていますが、どの順番程度まで回っているか程度は教えてもらえるようです。

都営住宅等あっせん及び入居説明通知書
通知書には具体的な棟や室番等が記載されています。この通知書は、入居説明会のあと下見に行く際、各窓口センターで鍵を借りる際必要です。下見は入居説明会当日から約10日間のうちの1日です。当日の場合は、説明会が終わってからになるので、ほとんど時間が取れません。窓口センターの営業時間は、9~18時までで、土日祝は休みです。仕事の都合で休みが取れない場合を除き、下見は説明会当日とは別の日にしたほうが無難です。筆記用具、スケール(メジャー)、カメラ(スマホ等で代用可)、懐中電灯は下見の必需品といえるでしょう。なお見落とした時のために、借りた鍵の合鍵を作っておくなどという方法は、絶対にとってはいけません。発覚すればあっせん取り消しと考えて差し支えないでしょう。入居前から、見ている住民は本当によく観察しています。日中も在宅率が高かったりするため、なおさらと言えます。

説明会でもらう書類の中には「都営住宅の使用手続きについて」「請け書」が一体になったA3の用紙があります。こちらに使用手続日、時間が書いてあります。それまでに敷金にあたる保証金を納付(生活保護の場合免除)します。手続日がどうしても都合が悪い場合は、事情を言うと別の日に設定してもらえます。

手続日までに請け書に記入して、当日持参するのですが、請け書には連帯保証人の項目があります。実はここでつまづいてしまう場合が多いです。連帯保証人の資格条件として「日本国内に住所を有する成人の方」と「年間所得金額1,248,001円以上」があります。所得金額1,248,000円は、住民税が非課税(所得割、均等割とも)になる限度額ですが、それでもなかなか見つけるのが困難な場合も多いです。そこで提出する書類がこの誓約書です。
誓約書
手続日当日に持参します。なお選任の期限は書かれていませんし、そのままほうっておくと、催促がくるのかどうかまではわかりません(実際にはこないそうです)。

手続日に住宅使用許可証が発行されます。鍵が渡されるのは、入居手続日当日、または翌日になります。使用許可日はさらにその10日後程度、あとになります。入居の日付も、例えば7月16日から7月31日までと半月ごとに指定されています(指定日は申し出ることで、1か月程度は後ろにずらすことができます)。私の場合、この期間はどうしても都合が悪かったので、特に変更はせず、住民票の異動と小物や寝具の運び込みだけを行い、トラックでの本格的な移動は、この期間のあとになりました。


入居日

入居は使用許可日から、通常半月以内です。ですから使用許可日が3月16日の場合、3月16日〜3月31日になってしまいますから、引越しシーズンにまともに当たってしまうので、引越料金が高くついてしまいます。余談ですが、引っ越しの見積もりに際し、何社も一度に見積もりがとれるサイトがありますが、そこに電話番号を入力すると、「電話の嵐」になりますので注意が必要です。私は約20回引っ越しを経験しましたが、一番よく利用したのがアート引越センターです。ただここは丁寧なのですが、料金はやや割高です。サカイ引越センターは、エアコン取り外し、取り付けを15,000円(平成27年)と格安でやってくれるので、エアコン脱着が必要な場合はおすすめです。

鍵を受け取って(入居手続日)から、入居許可日までは10日間くらいあります。この間についての引越は、公社からダメと念を押されます。ただできればこの間に、自治会長さんに挨拶に行っておくといいと思います。これは、敷地内に車が入ってこられないように、柵が鍵で施錠されている場合が多いからです。何も知らずに引越の荷物をトラックで運搬して、いざ現地に着くと、敷地に入ることができないとなると、そこからまた時間がかかってしまいます。当日のスムーズな作業のためにも、ぜひともやっておいてください。

しかし「自治会長に挨拶」などと言っても、誰が自治会長なのかわかりません。私の場合は、鍵受取の日に現地に行き、たまたまエレベータに乗り合わせた人に聞いたところ、親切に教えてくれました。できれば「感じのよさそうな人」に聞くほうがいいかもしれません。「人を外見で判断するな」とお叱りを受けそうですが、入居前にいきなり「何でそんなことを教えなければならないんだ。入居予定者の証拠はどこにある?」などと言われてしまっては、入居を前にして、一気に気持ちが沈んでしまいます。ただ実際にそんな気難しい人はほとんどおらず、結構皆親切です。私は引越の回数が20回近くで、住居の形態も、一戸建て、賃貸アパート・マンション、寮、社宅、分譲マンションと、いろいろな所で暮らしましたが、それらの引越とほとんどかわりません。

引越の挨拶も、私の場合は引越よりも先に行いました。「引越の際、バタバタとうるさくてご迷惑をかけます」というのと、廊下に自転車を置いている方が案外いますので、「引越当日はよけておいてね」という意味合いもあります。挨拶先は私の場合、自治会長、上下の住戸、同じ階の住戸すべてです。同じ階については、左右両隣だけでいいのではという意見もありますが、それほど戸数も多くない場合は行っておいてもいいかと思います。なお少なくとも上下左右は、騒音等の問題はもちろんですが、後述の模様替え申請の際のキーパーソンにもなりますので、必ず行っておいてください。数百円以下の品物も一緒に持っていくといいでしょう。ちなみに今まで暮らしていた所(引越元)の、近所への転居の挨拶には、品物はいらないかと思います。

さて都営住宅に入居してみての感想ですが、皆さん感じのよさそうな方ばかりです。若い人は少なく、お年寄りの方がずっと多いです。ただ新しく入居してくる人は、子どももいるまだ若い人が、最近多いような感じがします。子どもの声はあまりしませんが、飼育が禁止されているはずの、イヌやネコの声が聞こえてきます。

部屋はこんな感じです。
壁紙、ふすまは張り替えてありますし、畳のいいにおいもします。古いながらもいい感じです。
和室

トイレは室内に竪排水管がむき出しになっていて、鋳鉄管から伝わるチャラチャラという音が聞こえてきます。
トイレ

キッチンはなかなか古いものですが、近接の棟では一斉の取替があったので、ここもやってもらえると期待しています。
キッチン

エレベータです。なんとシンドラー社製です。
シンドラー社製エレベータ

シンドラー社製のエレベータをこの目で見たのは初めてです。エスカレータなら、都営地下鉄の大門駅や御成門駅にもあるのですが、エレベータ、それもこれから自分たちが暮らす住宅についていたので驚きました。都関連の施設には多いのかもしれませんね。しかしそんなことは、最初は気にしていてもすぐに忘れてしまいます。

私のところは、築30年ですから古さは否めませんが、思っていたよりは住み心地はよかったです。

        

所得超過、高額所得者

都営住宅は住宅に困っていて収入の少ない人のためのものですから、「収入超過者」になると「出て行く努力をしなさい」との通知がきます。さらに「高額所得者」の烙印を押されてしまいますと、つまみ出されて(笑)しまいます。もっとも「収入超過者」の場合は使用料はかなり高額になりますが、出て行く義務まではありません。しかし認定所得月額を2年続けて上回る「高額所得者」に認定された場合は、明渡し請求をされることになります。

収入区分は認定所得月額により、下記のように8区分に分かれています(単位・円)。

1区分    0~104,000
2区分 104,001~123,000
3区分 123,001~139,000
4区分 139,001~158,000
5区分 158,001~186,000
6区分 186,001~214,000
7区分 214,001~259,000
8区分 259,001~

収入基準内は上記の1~4区分で、ちょうど都営住宅の使用料の一般区分に相当する部分です。5、6区分は収入超過になりますが、いわゆる「裁量階層世帯」といって、小学校就学前の子どものいる世帯や心身障害者を含む世帯、高齢者世帯の場合は収入超過者とはなりません。都営住宅の使用料でいう、特別区分に相当する部分です。これが7、8区分になってしまうと全員が収入超過者となります。認定所得月額が259,001円以上は一律8区分なのですが、この額が2年連続で313,000円超となると「高額所得者」の認定を受けてしまいます。つまり2年連続で認定所得月額が8区分だったとしても、313,000円以下であれば「高額所得者」の認定はされません。また2年連続でなく、隔年の場合も逃れることができてしまいます。

この認定所得月額の計算方法は

(世帯全体の合計所得金額-38万円×名義人を除く家族人数-特別控除額)÷12か月

で求められます。

使用料決定通知書のしおり
なお所得金額は給与所得者の場合、給与等の収入金額や「手取りの収入」ではありません。給与等の収入金額から給与所得控除額を引いた額です。国税庁のこちらのページが参考になります。

No.1410 給与所得控除|税について調べる|国税庁

所得税法別表第五を見ればすぐですね。

特別控除額は70歳以上の老人扶養10万円、16歳以上23歳未満の特定扶養25万円、普通障害者27万円、特別障害者40万円、寡婦(夫)27万円です。

ですから夫婦と幼稚園児1人の世帯で障害者がおらず、夫の年収が480万円、妻が専業主婦だとすると、所得税法別表第五より所得金額は330万円になりますから、

(3,300,000-380,000×2-0)÷12=211,666

となり、6区分ということになります。しかし子どもが小学校就学前ですから裁量階層世帯となり、収入超過者とはなりません。これが幼稚園児ではなく小学校1年生であれば、収入超過者となってしまいます。したがって明け渡し義務まではないものの、明け渡しに務める義務は発生します。もちろん使用料は高くはなりますが、追い出されることはありません。

問題は高額所得者の認定所得月額の計算方法です。なんと上の計算式とは違います。

(世帯全体の合計所得金額-38万円×名義人を除く家族人数-特別控除額-有所得者控除)÷12か月

というように、「有所得者控除」というものをさらに差し引くことができます。これは名義人とその配偶者以外の人の所得金額から1,248,000円を限度として控除できるというものです。1,248,000円未満の場合はその額です。

つまり夫(年収630万)、妻(年収60万)、娘(年収200万)で障害者はいないとします。夫と妻、娘の所得はそれぞれ450万、0、122万になりますから、

(4,500,000+0+1,220,000-380,000×2-0-1,220,000)÷12=311,666

で8区分に該当します。しかし313,000円以下ですから、これが2年連続であっても「高額所得者」にはならずに単なる「収入超過者」で済むわけです。もし上の高額所得者専用の特別式がなければ、認定所得月額は413,333円になってしまいます。

このようにして見ると、使用料は高くなるとはいえ、随分世帯所得が高額な方でも、都営住宅に住み続けられることがわかると思います。


駐車場

都営住宅には駐車場が設置されている場合があり、特に築年数の新しい住宅には、戸数の30〜50%ほどが用意されています。逆に昭和築など、大規模団地なのに全く設置されていない場合もあります。なおこの場合でも、障害者用には特定用駐車場というのが存在します。元々全く駐車スペースがないわけですから、該当者がでた場合には、敷地の一部を割いて、駐車場にしたりします。この場合の障害者とは、主に身体障害者で、級で区分するのではなく、ケースバイケースで対応するようです。精神障害者保健福祉手帳の場合は、1級が該当です。特定用駐車場の月々の使用料は無料です。

希望者が多数の場合は抽せんになりますが、車を持っている人が少ないことから、まず抽せんにはなりません。周辺地区の一般住民に貸し出しているほどです。

契約は受け持ちの管理センターで、契約期間は毎年8月31日までです。入居許可証、車検証、免許証、印鑑を持っていき手続します。使用料は近隣相場の7~8割程度で、3か月分の敷金が必要です。


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