都営住宅の暮らし

くじ引きによる抽せん

5月・11月の募集や、2月・8月の単身者向等、1月・7月・10月の直接募集では、通常抽せんが行われます。募集に対して定員割れというところもあり、こうしたところは抽せんがなく、自動的に「当せん」になります。エレベータがあるにもかかわらず、地理的な不便さのためか、募集方法によらず毎回定員割れしているところもあります。しかしこうした例外を除き、ほとんどが抽せんになります。

抽せん日前になると、抽せん番号の書かれたハガキが自宅に郵送されます。申込地区ごとに、通常1番から番号が振られています。その地区の玉数が1775個ですと、1番から1775番までの抽せん番号が、誰かに割り振られていることになります(欠番がある場合があります)。 基本的には一人につき番号が一つ付与されます。ただし優遇のある地区(申込地区番号が丸で囲ってあります)については、一般の人は一つですが、いわゆる甲優遇は五つ、乙優遇には七つの番号が与えられます。その場合の番号は連番で、例えば乙優遇ですと497〜503番というようになります。平成25年5月の27戸募集「光が丘第1〜3」を例に採りますと、優遇を受けない「一般」が126人、「甲優遇」が61人、「乙優遇」には192人が応募しました。甲優遇は抽せんの玉数が5倍、乙は7倍になるので、玉数の合計は

126+61×5+192×7=1775

になります。なお優遇のある地区は乙優遇の申込者が最も多く、ついで一般、甲優遇の順になることが多いです。従って「乙優遇だから自分は特別」などと思わないほうがいいです。むしろ乙優遇がスタンダードといっても過言ではありません。

抽せんはガラポンで行われます。年末の商店街でぐるぐる回して色玉が出たら「当たり」のアレです。抽せんの順番は物件番号順ではなく、玉数の少ない物件から順に行われます。玉数が増えるにつれて、玉をガラポンの中に継ぎ足していきます。つまり次の抽せん物件の玉数が1806個だとすると、この抽せんが終わってから1776~1806番の玉31個と、当せんで排出された27個をガラポンの中に戻して、次の物件の抽せんとなるわけです。

さてこの物件の場合、1775個の玉から27個の玉を選ぶわけですが、5倍や7倍の人の場合、重複当せんする場合があります。この場合でも当せん個数は27個のままで、それ以上は振り出しません。抽せんの最中に重複当せんしている人がいるかなど、忙しいのでいちいち調べている暇はないからだと思います。

あとよく言われている「後半番号有利」説についても触れておきたいと思います。 この回の1から1775のうち、当せん番号を若い順に並べ直すと次のとおりでした。

127,508,524,531,563 697,721,795,872 917,1082,1162,1286 1322,1377,1382,1383,1394 1427,1464,1565,1652 1682,1684,1695,1712,1747

前半に9個、後半に18個とかなり後半に偏っています。ただし通常は、ここまでは偏らないと思います。ただ単に、番号の前半分と後ろ半分で見た場合、同じくらいの数になると思います。ここでいう「後半」とは、かなり後ろの番号という意味で、結構あいまいな部分もあります。

「かなりの後半」を、後ろから10%とします。つまり1598~1775番までがここにあたります。この中で当せんしているのは、1652,1682,1684,1695,1712,1747の6つです。全体としては22.2%がここに含まれていることになり、格差は2倍以上ということになります。

それともう一つ気づくと思いますが、特に1300番台、1600番台がそうですが、近接した番号が多く当せんしています。前のほうの番号でも、500番台にも当せんが多くでています。しかしこれは偶然ではなく、きちんとした理由があります。

抽せん風景
職員の方は懸命(笑)にガラポンを高速回転で回しています。また抽せんの様子を見に来た人の中から、不正が行われていないか立ち会いも依頼しています。きちんとやっていることをアピールしていて、それこそ「コネ」の入り込む余地など全くありません。しかし問題はこの「ガラポン」にあるのです。玉数が数百個程度ならあまり問題はありません。しかしあの小さいガラポンの中に1775個もの玉を詰め込めば、いくら激しく回してもまともに混ざりません。玉の排出口は外側ですが、挿入口もまた外側にあります。結局最後の方に入れた番号が、「玉の大群」の外側に位置するわけですから、当せんしやすくなるのは当然です。近接番号が出やすいのも混ざりきっていない証拠です。また同じ理屈で、以前の回で当せんした番号も、外側に位置するので当たりやすくなります。この物件ではありませんが、出席者からも「また同じ番号が当せんしている!」との声もあがっていました。

私は担当者の方に「せっかくきちんとやっているのだから、あのガラポンは見直したほうがいいのでは?」と提案し、具体的にデジタル表示の方法などを説明しました。すると担当者からは「かえって裏で操作されていると疑われる」とのことで、提案としては上へあげておくとのことでした。ちなみに都立霊園の抽せんでは、一の位を固定して、十や百の位で調整する方法をとっています。この方法だとガラポンの玉づまりの問題は解決されると思います。宝くじのように、的を射る方法が本当はよいのでしょうが、とてもできないと思います。

これは難しい問題だと思います。外れた人の中には、係員に抗議している人の姿を毎回見ます。もっと多くの人に、抽せん会場に実際に足を運んでいただいたほうが、こうした問題提起がされやすいのではと思いました。

この方式がこのまま続くとするならば、今度は「どうすれば『かなり後ろの番号』をゲットできるか」に関心が移ってしまいます。「応募が早いほうが後ろのほうの番号になりやすい」と聞いたことがありますが、真実かどうか不明です。このやり方では、番号が割り振られた時点で、有利不利が生まれることになります。「抽せんが運なのと同じで、番号がどこにあたるかだって運でしょう」という方もいますが、抽せん番号を何番にあてるかは、運でも何でもなく、担当者が恣意的に割り振ることも可能なため、極端な話、「当せんさせてあげたい人」を、「超」後半番号にしてあげれば、その人の当せん確率を上げることも可能なわけです(もちろんそんなことはやっていないと思います)。なお玉数が数百個程度ならこのような問題はおこらないと思います。

NHKの日曜日の番組に、「のど自慢」という番組があります。歌う順番が最後の方が、合格しやすいと言われていますが、やはり18,19,20番などは、回によっては、まさに鐘が乱れ打ち状態の時があります。これは合格者数調整や、時間調整(まだ少ししか歌っていないのに、合格の鐘が打ち鳴らされる)の影響とも言われていますが、まさに始まる前から、ある程度合格率に差がついてしまっていることになります。ちなみに曲順は、抽せんではなく、ディレクターが決めています。従って、1番は盛り上げ役ですし、「特別賞」受賞予定者は、トップやラストにならないわけです。

話がそれてしまいましたが、私は最近抽せん会場に行っていませんので、まだこの方式でやっているのかどうかはわかりませんが、もしやっているとするならば、早急に改めていただきたいものです。

抽せんの結果当せんすると、「資格審査対象者」になった旨の知らせがはがきで送られてきます。

資格審査対象者


ポイント方式

ポイント方式は多くの入居資格をクリアしなければならないため、何とか条件を満たせば、抽せんより楽と思われているかもしれませんが、実際はそうはいきません。 5・11月 家族向・単身者向 で「優遇抽せんを行っている地区では一般より乙優遇が多い」と述べました。都営住宅の申込みをする人は、ポイント式の条件くらいは難なくクリアしている場合が多いのです。従って募集戸数の少ない人気物件に申し込んでも、3か月後低順位通知を受ける結果に終わってしまいます。

申込書の裏面は、住宅状況申告書になっています。 住宅状況申込書左面
住宅状況申込書右面
ここに記載された内容で、住宅困窮度が判定されます。病院で書いてもらう医師の診断書とは異なり、あくまでも自己申告です。ですから「13.建物の老朽化により、外壁に亀裂等の損傷」などの項目は、全くもって個人の主観であり、いくらでもチェックをいれることができてしまいます。比較的新しい建物でも、亀裂の一つや二つあるからです。

反対に「1.現在の住宅」のような項目は、個人の気分で変わるものではなく、非常に重要なポイントです。母子生活支援施設、一時収容施設入所者は優先順位は高いでしょうし、狭小なアパートもポイントは高いでしょう。反対に、公社住宅などの公的住宅では順位は低くなると思います。自家などはさらに低くなるでしょう。この他、「2.間取り図」「3.寝たきり病人」「4.障害者」「11.家賃」「25.立退き」の項目も、2を除いて公的書類等で確認可能なものなので、重要項目だと思います。確認しづらい「2.間取り図」は、実態調査有無の分かれ目になります。賃貸契約書に間取り、広さの記載がない場合や、次点とのポイントが僅差な場合、該当のチェック(上記の13のような、個人の主観でチェック可能な項目)が多い場合は、調査の可能性が高くなります。また実態調査(約10分)が行われて、申告した住居面積と、調査時に計測した面積に差異があり、申告よりも広かった場合などは、ポイントが減点されてしまう場合がありますので要注意です。これは契約書自体の面積が間違っていても同じです。

なお実態調査は、審査対象となると必ずしも行われるものではありません。必要がなければ「省略」と赤スタンプの押されたはがきが届きます。この場合実態調査はなしということになります。

「26.過去の公募」は「何度もポイント方式で漏れているのだから今度こそ」という思いにもなるのでしょうが、案外気休め程度の「加点」にしかならないのかもしれません。おまけに2年を超えて前のものは、対象にすらなりません。また勘違いされている方がたまにいますが、これはあくまでもポイント方式の際に加味されるものであり、5・11月の一般の募集では何の効果もありません。


補欠、重複当せん

世帯向け(一般募集住宅)については当せん者以外に補欠者を登録します。募集の案内には「4DKの住宅等」と書かれていますが、実は2DKや3DKといった他の間取りでも補欠者を出す場合があります。私がJKKに問い合わせをしたときは、「世帯向けは4DKに限らずだいたい設定します」と言われました。ただし補欠の数がいくつになるのかは、募集戸数などの兼ね合いもあるようです。補欠の設定は、最後の当せん番号の次番以降の番号を連番で登録します。つまり当せん数は10個で、当せん番号が出玉順に、472、114、535、516、262、29、532、627、318、404ですと、最後の番号は404ですから、補欠は「補欠者1位 405」「補欠者2位 406」「補欠者3位 407」「補欠者4位 408」のようになります。ただし繰り返しになりますが、補欠の数は場合にもよりますし、設定されない場合もあります。また乙優遇(7つの連番設定)で402〜408を持っていた場合は、404が当せんで、405〜408も自分が持っていますから、補欠の意味をなさないことになります。やはりケースバイケース(409から付番)になるものと思われます。

直接募集の場合にも、補欠を設定する場合があります(たいていの場合設定されています)。直接募集は、1つの地区につき、すべて1戸ずつの募集ですから、補欠番号は当せん番号のすぐ後ろの番号が、1つだけ設定されます。で、補欠者にはこんな感じのハガキがきます。

抽せん結果のお知らせ
なお一般募集、直接募集関係なく、繰り上げ期間は約半年のみです。これを過ぎるとアウトということになります。その場合は連絡はきません。また一旦「落せん」のハガキがきたあと、「補欠者」となった旨の連絡がくることはありません。補欠の場合は、あくまでも最初から「補欠者」となった旨の通知が届きます。

繰り上がる確率はなんとも言えませんので、期待して待つしかないようです。こればかりは電話で問い合わせをしても教えてもらえません。「郵便での連絡を待て」と言われてしまいます。

あと重複当せんの場合です。甲優遇や乙優遇の場合、1人でそれぞれ連番で5玉、7玉持っていますので、重複して当せんする場合があります。重複して当せんした人は、最初に出た番号のみが当せんになります。上の例でいうと、例えば乙優遇で530〜536までの7つを連番で持っていたとすると、535のみが当せんで532はなかったことになります。

ただ問題はここからで、「それだと10戸募集なのに9戸分しか当せんがいないじゃないか。」ということになります。ではどうするのかというと、何もしないで欠のまま次回に回すということになります(JKK確認済)。他の方のブログには「再抽せんをする」と書いてあるのを見たことがあります。ですがそれはありえません。そんなことが可能であれば、誰も見ていないわけですから、いくらでも恣意的に番号を決めることができてしまいます。ただ補欠が設定してある場合、自動的に補欠者1位の405を当せんにするのかどうかはよくわかりません。これも他の方のブログですが、「抽せんで外れたのに(補欠の通知でなく)いきなり当せんの通知がきた」というのは、そういうことなのかも知れません。もちろん単なる見間違いの可能性や、以前は再抽せんを本当に行っていたのかもしれません。

いずれにしましても、「何の縁もない番号しか持っていない」という場合は、現在では「再抽せん」などありえない以上、次回以降の戦略を練る必要があると思います。


倍率を事前に知る方法

抽せん倍率をwebで知ることができるのは、当せんの発表と同時になります。つまり抽せん日の翌日まで待たなくてはなりません。しかしあらかじめ、自分の申し込んだ地区の申込人数や倍率を知ることができる方法があります。実は、東京都住宅供給公社に電話すると事前に教えてくれるのです。その際「申込地区番号」を言わされます。下のハガキ中央部、左側に書かれた番号で、世帯向地区なら4〜5桁の番号です。タイミングとしては、ハガキが自宅に到着して以降になります。それ以前ですと、まだ集計されていない場合があります。
抽せん番号通知ハガキ
親切な担当者の人ですと、一般何人、甲優遇何人、乙優遇何人で玉数がいくつ、人数が何人、結果倍率が何倍と教えてくれます。ただ単に倍率しか言わない担当者の方もいます。しかし「教えられません」という人は今までいませんでした。また自分の申し込んだ地区の抽せんが、何時頃行われるかも教えてくれます。ただこの時間帯はあくまでも目安で、実際にはそれより結構遅れたりします。

正式な当せん番号や倍率といった情報は、募集案内の冊子に「抽せん日の翌営業日、午後6時以降に公社ホームページに掲載」と書かれています。しかしこの時間は結構まちまちです。翌日の昼頃にはもう既にでていたり、18時30分頃ようやく掲載された回もあります。また表向きはウェブ上にでていないように見えますが、いわゆる「直リン」(前回の結果発表のURLから、今回の結果が掲載されるであろうURLを推測してENTERキーを押す)という方法で当該ページにたどりつけた回もありました。

ただ倍率など、早く知ったところでがっかり感が倍増するだけの場合も往々にしてありますので、ホームページに掲載されるまで待ったほうがよいのかも知れません。


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